クトゥルフ神話TRPGで遊ぼうとした時に、ルールブックに付属しているシナリオではなかなか分かりづらい、と思ったことはありませんか?
「最初はルルブのシナリオからやれば良いよ」なんて言われますが、ぶっちゃけルルブのシナリオは分かりづらい!
そんな私がKPもPLも、全員がクトゥルフTRPG初体験の時に遊んだシナリオがこの作品「やっぱりクズが好き」に収録されている「ここは幽霊屋敷じゃありません!」でした。
既に1年以上クトゥルフで遊んでいますが、未だにこのシナリオは「最初にプレイしてよかった」と思っています。
そこで何故これが初心者にオススメなのか?も含めてレビューしていきます。
実際のセッション内容が記録されている
実際にセッションをプレイした人達のリプレイシナリオが50ぺージ程、会話形式で書かれているのでKPはシナリオの流れを理解しやすいです。
ただシナリオのデータが書いてあるだけでなく、実際の流れが分かるというのはKPをやる上で非常に便利で、シナリオを理解しやすくなるので初心者KPにはオススメです。
クズ卓特有のテンポでストーリーが進んで行くので、楽しみながらシナリオを覚える事が出来るというのも、他には無い点でしょう。
少人数から遊べるシナリオ設定
このシナリオ「ここは幽霊屋敷じゃありません!」はKPとPLが1人ずつ、つまり最低2人から遊べるシナリオになっているのが良いですね。
少人数からでも遊べるシナリオなので、まだ経験が浅い状態でも十分プレイする事が可能です。
初心者KPとPLにオススメの「クローズドシナリオ」形式
クローズドシナリオとは?
限られた空間でストーリーが進むシナリオの事。
「どこかに閉じ込めらた」という場合が多く、今作のシナリオもそういった限られた空間でのストーリーになります。
何故これが初心者にオススメなのか?理由は2点あります。
- 限られた空間のためKPがPL達を管理しやすい
- PL達は限られた空間での探索なので、行動指針が立てやすい
簡単に言えばKPもPLも共に「ある程度行動が制限されている」状態になるのです。
「行動が制限されると自由度が減るのでは?」と思うかもしれません。
確かにそれなりの経験を積んだKPやPLからしたら、クローズドシナリオは自由度が少ないので少々物足りないかもしれません。
ですが、初心者のうちはある程度シナリオの方向が定まっており、尚且つKPはPL達をコントロールしやすく、PL達もどこに行けばいいのかが分かりやすいシナリオ、つまりある程度クリアまでの路線が明確なシナリオの方が楽しめるでしょう。
初心者のPL達に「どこでも行けるよ」と言っても「どこ行けばいいのかわからん」となる可能性が高いです。
それよりは「3つ行ける場所があるよ?どこに行く?」と聞いた方が「じゃあここから行ってみよう!」となり、KPもPLもやりやすいでしょう。
「ここは幽霊屋敷じゃありません!」では、クローズドシナリオになっているので、初心者KPやPLでも非常に遊びやすい内容になっています。
リトル氏による素晴らしいシナリオ
「やっぱりクズが好き」の著者であるリトル氏は、数多くのシナリオ本を手掛けているベテランの方です。
そのためシナリオの完成度も非常に高く、細かい設定などもキチンと作られているので、クトゥルフ神話という世界を堪能する事が出来るでしょう。
唯一の欠点、シナリオが1本しか収録されていない
この本には唯一欠点があります、それはシナリオが“1本しか収録されていない”という事。
他の書籍では3~4本、もしくはそれ以上のシナリオが収録されています。
それらに対してこの「やっぱりクズが好き」では「ここは幽霊屋敷じゃありません!」しか収録されおらず、色々なシナリオをプレイしたい!という人には物足りないかもしれません。
ですが、先ほども書いた通りこの本には、最初から最後までプレイした「リプレイシナリオ」が収録されています。
1シナリオしか収録されおりませんが、その分他のシナリオ本よりも丁寧で分かりやすく書かれています。
個人的にオススメの1冊!
初めてクトゥルフ神話TRPGで遊んだのがこのシナリオで、私はKPとして友人たちを誘ってプレイしました。
その時のセッションは上手く行き、その後は友人たちと度々クトゥルフ神話で遊ぶようになりました。
ある程度経験を積んでから分かるのが、このシナリオは非常に扱いやすいという事。
他のシナリオ本では必要最低限の事のみが基本的に書かれており「あとはKPの采配次第」というものがほとんどです。
そんな中リプレイシナリオが記載されおり、細かな説明もあるこの本は非常に完成度が高いです。
初心者にオススメなのはもちろんですが、クトゥルフ経験者の方でも十二分に楽しめるものなので、是非手に取ってみると良いと思います。
素敵なシナリオ作者リトル氏のサイトはこちら→Little Clip